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エマ 

エマ改版
著者: ジェーン・オースティン(阿部知二 )
出版社: 中央公論新社
ページ数: 749p
発行年月: 2006年02月

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あらすじ
エマ・ウッドハウスは美しく、機知に富む女性である。母が亡くなり姉が結婚して家を出て行った後、父と2人で暮らしている。
ウッドハウス家の家庭教師を16年務めたアナ・テーラーは、ウェストンに嫁いだ。ウェストン氏にテーラーを紹介したのはエマで、自らが恋の仲介役であることを知る。するとエマは、友人であるハリエット・スミスを牧師のエルトンと結び付けようとするが、エルトンが結婚しようとしているのが自分だと知り、この計画は失敗する。
ウェストンの前妻との子であるフランク・チャーチル、ウッドハウス家の隣人ベイツの姪であるジェーン・フェアファクスが登場する。チャーチルには好感を持ったエマだったが、ジェーンとは馬が合わない。エマは、今度はチャーチルとハリエットをくっつけようとするが、エマがベイツを侮辱してしまったためにナイトリーにたしなめられ、自らの欠点を認識する。
ハリエットは当初エマによって結婚を拒絶したロバート・マーティンと結ばれ、エマはナイトリーと結婚する。
ウィキペディア:「エマ」より
ジェーン・オースティン三大名作のうちのひとつ。
しかし(世間一般でよく言われているように)本当にエマが高慢と偏見の固まりで、彼女に比べたら「高慢と偏見」のダーシーもエリザベスも粛々として万事控え目なくらい。
そのうえ思い込みが激しくて、他者から振る舞いに関して意見されても、「わたくしが立派な人間だからこそ理解できるのよ。(=わからない方が愚かで惨めな人間)」だと大いばりで決め付けてしまう。
さすが作者が「(書いた)私ぐらいしか好きになれない主人公」と断言していたとおり、本当に全体の2/3くらいまでムッカムカきどおしなんですが、彼女の一家言の師でもあるナイトリー氏が器が大きく、格好良く、そのうえ「なんでエマに惚れるの?」と地団太を踏んでしまうくらいにエマ一人にメロメロ惚れ切っておられるので、特に終盤はナイトリー氏のけなげな恋愛模様が見所です。
でも「こんな女ッ大ッッ嫌いだ~~~ッ!!」と拳を握り締めながらでも、やっぱり途中で読むのを止められないジェーン・オースティンの魔の筆力。
また1年後くらいに(機嫌の良いときに)最初から読み返したい気もしますが、ナイトリー氏が主人公の話とかあったら是非とも読んでみたいです。
(ある意味ダーシー氏よりも好きなタイプかもしれない…。)

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マンスフィールド・パーク 

マンスフィールド・パーク (中公文庫)マンスフィールド・パーク (中公文庫)
(2005/11)
ジェイン オースティン

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あらすじ
貧しさゆえに蔑まれながら生きてきた少女が、幸せな結婚をつかむまでの物語。優しさと機知に富む一方で、鋭い人間観察眼によって容赦なく俗物を描く、英国が誇る十九世紀初頭の女性作家、後期を代表する作品。
ジェーン・オースティン三大名作のうちのひとつ。

私的好きな順位は、
1.マンスフィールド・パーク
2.高慢と偏見
3.エマ
てな感じでしょうか。

ジェーン・オースティンにはお馴染みの「一度読み始めたら、トイレ以外は立つ気になれない」状態が最初から最後の1ページまで継続し通しで。気がついた時には丸一日何も食べずに、わずかな仮眠だけで読んでしまいました。
(んでもって、読後すぐは幸福すぎてしばらく食べる気にも、寝る気にもなれなかったと言う…。)

主人公のファニー・プライスが幼少時代から想いを傾け続けるエドマンドとの恋愛模様だけだったなら、きっともうすこし退屈だったんでしょうが(だってエドマンドの優柔不断っぷりには腹が立つこと請け合いなんですもの。)全体の半数以上を占めるヘンリ・クローフォドとの恋愛模様がとにかく激しくスリリング。
あの手この手と繰り出されてくる彼の巧みな想いの攻撃に、どこで陥落されてしまうかで読者の恋愛レベルが計れてしまう様な気がします。
(むしろ私はエドマンドがけっこう嫌いなほうだったので、終盤近くでは「どうして断るの?!」とジタバタ暴れたくなってしまった。)
しかしどの時点であれ、彼の想いを受け入れてしまったら最後、大なり小なり不幸な結末は目に見えているような気がするので、最後までそれを拒み通したファニー・プライスの眼力には敬服至極。
(でもメアリ・クローフォドからの最後の手紙がなかったらどうなんだろう?)
またノリス伯母様を筆頭に脇役にも種々の魅力が満載で、本当に読み応えのある一冊でありました。
けれども、スリリングな読後感だけあって、やっぱり何度読み返しても面白いのは「高慢と偏見」かなァ~?

劇場 

劇場22刷改版
著者: ウィリアム・サマセット・モーム(竜口直太郎)
出版社: 新潮社
ページ数: 474p
発行年月: 2006年12月

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あらすじ
天性の才能を駆使し、堂々たる舞台女優となった46歳のジュリア。彼女は、美男俳優で劇場経営者でもある夫や、20年来プラトニック・ラブを捧げ続ける貴族に囲まれていたが、たまたま劇場の経理を担当した23歳の青年トムに夢中になる。そして、トムの心が新人女優に傾いたのを知ったときジュリアは…。人生と芝居が妖しく交錯する巧みなストーリー・テリング、モーム円熟期の傑作長編。
映画を見てから小説のほうを読みました。
内容的には映画のほうが面白かったかな?
とくにラストらへんのまとめ方が映画のほうが爽快で、モームの作品ならではこそ期待してしまうオチのヒネリがイマイチ味わえないのですよね。
しかし、映画ではイマイチわかりづらかった主人公のジューリア以外の心情が愉しめたので、映画とセットで実に面白かった一冊でありました。

ハワーズ・エンド 

ハワーズ・エンド ハワーズ・エンド
著者: エドワード・モーガン・フォースター
出版社: 集英社
ページ数: 379p
発行年月: 1992年05月

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あらすじ
郊外の邸宅ハワーズ・エンドを舞台に描かれるドラマ。
知的でしっかり者の姉マーガレット。情熱家で美貌の妹ヘレン。ロンドン郊外、ハワーズ・エンドに建つ富豪の邸に招かれた姉妹の前に、運命の扉が開く。複雑な人間関係に中、傷つきながらも成長していく女たち。
「眺めのいい部屋」や「モーリス」でも有名なE.M.フォースター。
実はモームの「劇場」とセットになっていた作品で、(映画以外の)E.M.フォースターの小説はこれが初めてだったんですが、もう、本当に、「この世にこれほど退屈な小説が存在するのか!」と2/3まではうんざり退屈しておりました。
が、残りの1/3で「やはり名作!!」と納得させられてしまった次第。

各キャラクターの心情風景をとても懇切丁寧にしつこく詳しく描いてあるので、次第にそのまどろっこしさが鼻についてくるのですが、それがあるからか、キャラクターの心理の移り変わりがわかりやすくもあるのですよね。
主要な登場人物が中流階級の人間で、この作品でも「エマ」に共通した階級差別意識が目立ってしようがないんですが、最終的にはそんな垣根はぶっとばして、繰り広げられるヒューマンドラマにしんみり感動できてしまう。
そして文章の組み立て方の絶妙さが名作たる所以なのだろうと思います。
(物語の展開の激しさ(それでいてスマートさ)には、今まで読んだことがない流麗さを感じました。話の展開を追いかけている最中にも、あんまり文章が美しいものだから、その行だけ何度も何度も読み返してみたりして。)
とにかくラストの20ぺーじくらいが大好きで、思い出すたびにそこだけ何度も読み返してしまいます。
読む機会に恵まれて幸せだった一冊でありました。
ほんっっとうに、前半は退屈すること請け合いなんですが、機会があれば是非とも読んでみてくださいませ。