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TURN 24.125 『魔女 の 願い』 

職場で衝撃の走った月曜日。
明けて火曜日、よりにもよって今週を狙って、休みが全滅しなくても…ッ!

新型インフルエンザの流行で、
ルル誕SSの完成が、かーなーりー危うい状況です。
(ちなみに私は元気です。)
(むしろ休みたい…ッ!)



思わず脳味噌が癒しを求めて、何の脈絡もなくルルタニア。
宜しかったら、どうぞ~♪


携帯やmacな方はコチラから。

それ以外の方は、下からどうぞ。




「おい、ルルーシュ? 枢木スザクを知らないか?」
 そう言いながら、おもむろに皇帝専用の執務室のドアを開けて入ってきたC.C.は、ルルーシュのことをロクに眺めもしないで、部屋の中をキョロキョロ眺め渡した。
 ルルーシュは、自分でも判然としない理由で、とっさに憮然としながら返した。
「さァな、俺はアイツの見張り役ではない。それより、おまえがアイツに何の用なんだ?」
 C.C.は、ほとんど上の空の様子で「ん?」と小首を傾げると、結局そのまま踵を返してしまった。
「いや、別に大した用件ではないんだが…」
 言葉半ばでバタンと閉ざされてしまった扉を、ルルーシュは何ともいえない心境で、しばらく無言で睨んだ。
「……大した用件でも無いのに、おまえがアイツを捜すのか?」
 ―――どうでもいいけどな。
 内心で呟きつつも、思わず眉間に皺を寄せてしまう自分が不快だ。
 ルルーシュは、意識的に溜息をかみ殺すと、憮然とした表情のまま手元の書類に視線の先を戻した。


 その、およそ三時間後。
 C.C.が、またおもむろにルルーシュのところに訪ねて来た。
「なァ、ルルーシュ? 枢木スザクを見なかったか?」
 ―――さっきと微妙に訊ね方が変わっているだろう?
 とっさにそれを思うルルーシュは、C.C.の発言を逐一覚えている自分に気付いて、条件反射で顔を顰めた。
「さっきも言ったと思うが、俺は」
「そうか」
「―――おい、C.C.!」
 ルルーシュが言い終えるより先に、閉ざされてしまったドアを眺めながら、慌ててそう呼び止めてしまったが、しばらく待っても、閉じたドアは一向に開かれる気配もなかった。
「……まったく、いったい何の用なんだ?」
 憤然と苛立ちながら舌打ちして、そんな自分の反応に、またルルーシュは不快指数を募らせる。


 それから、ふたたび三時間後。
「ルルーシュ? 枢木ス」
「知らんッ!!」
 今度はルルーシュが、C.C.の言葉を遮るように声を荒げると、C.C.は驚いている表情で大きな瞳をパチクリと見開いた。
「なんだ、何をそんなに怒っている?」
「怒る? フン、おまえの目は節穴か? 俺は、至って普段どおりに冷静沈着だ。おかげで、仕事がはかどって」
「そうか? さっき通りすがりに文官たちが、『今日の陛下は一段と人相が悪い』とぼやいていたぞ?」
「しつこいぞ! そんなに俺を怒らせたいのかっ?」
「どうしたんだい、ルルーシュ? そんなに怖い顔をして怒って」
 そのときC.C.の背後から、ひょっこり顔を覗かした枢木スザクが、不思議そうな表情で小首を傾げた。
 ワケもわからず、一方的にルルーシュに怒鳴り散らされてしまったC.C.は、露骨に迷惑そうな顔付きで眉間に皺を刻んだが、待ち人の出現に、あっさり興味の矛先をスザクに移した。
「お、スザク、ちょうど良いところに帰ってきたな」
「フッ、帰ってきた早々大変だな。この女に厄介事を押し付けられて」
「何を言う? 私は別に」
「別に? 大した用件でも無いのに、本気で6時間以上もスザクの帰りを待っていたのか?」
「まァまァ、二人とも。ルルーシュの言い方だと、大した用件でも無いかぎり、C.C.が僕の帰りを待ってちゃいけないみたいだけど。なんだい、C.C.? 僕に頼みごとって」
「おい、あんまりこの女を甘やかすな」
「ん~、きみがそれを言っちゃう?」
「どういう意味だ?」
「そうとも。私はルルーシュに、ただの一度も甘やかされた経験など無いぞ?」
「真顔で否定するな。冗談に聞こえなくなる」
「誰が冗談を言っている?」
「まァまァ、だから二人とも」
 埒が明かないなァと困惑顔で続けたスザクは、ふいに何かを思い付いた表情でルルーシュの前に立ちはだかると、ニコッと気持ちの良い笑顔で微笑んだ―――C.C.に向かって。
「今後は一切、僕の背後霊が何を言っても気にしなくていいからね?」
「誰が誰の背後霊だッ!」
「背後霊みたいなものじゃないか。今の僕達が、毎日忙しくしているのは何のため?」
「……そ、それは……」
 婉曲にゼロ・レクイエムの一件を匂わされ、思わず二の句を失ってしまうルルーシュの様子を眺めながら、C.C.は一言冷静に「シュールだな」と呟いた。
「安心しろ? おまえが大事を果たした後の面倒は、私が仕方なく引き受けてやる。何しろ私は、ルルーシュの『盾』だからな」
「そうだよ、C.C.、きみはルルーシュの共犯者。僕は彼の剣だ。彼の敵も弱さも、僕が排除する。だからC.C.、守るのはきみの役目だ」
「共犯者……か」
「不満かい?」
「私とルルーシュは……いや、少し不安だな」
「どういう意味だ?」
 そのときルルーシュが、とっさにスザクの背後から顔を覗かせようとしたのだが、スザクは素早く自分の身体でそれを遮ってしまう。
「幻聴だよ、気にしないで」
 その間にも、ムキになって顔を覗かせようとしているルルーシュの動きを、俊敏な動きでスザクが難なく阻止していた。
 C.C.は、憂いを含んだ表情でフッと物悲しげに微笑んだ。
「どうせなら、私に全ての悪を押し付けて、本物の魔女に仕上げてくれれば良いものを…。そうすれば私も」
「そんな真似が出来るかッ!」
「そうだよ、C.C.。きみが、ルルーシュの共犯者なんだ。僕は、彼の剣以外の何者にもなれない。きみが、ルルーシュを守るんだ」
「フッ……共犯者、か…。……フフッ、……フフフッ」
「いったい何なんだ? その微妙に嫌そうなニュアンスは?」
「ああ、いけない。また幻聴が」
「疲れているんだよ、C.C.。もっと気を楽にして掛からなきゃ、なにしろ先は長いんだから」
「フフッ……おまえはゼロの仮面で、この先一生世界の平和を引き受ける。その代わりに私は、この先一生ルルーシュと……くッ!」
「大丈夫だよ! 愚痴ならいつだって聞いて上げられるから! そのためのゼロの仮面なんだし!」
「―――何の話だッ!!」
 ようやく二人して、ゼロ・レクイエム後のルルーシュの面倒を押し付けあっている事実に気付いたルルーシュが声を荒げると、C.C.とスザクは、まるきり申し合わせたように声を揃えてハァと深く吐息した。
「これが、私たちの選んだ……」
「ゼロ・レクイエム」
「私とおまえは……」
「似てなんかいないよ。たとえ愚かだと言われても、立ち止まることは出来ない」
「そうだな、スザク」
「~~~おまえたち…、いい加減にしろ」
 今にも怒髪天をつきそうになる雰囲気で、一気に加速している怒りのオーラを背中越しに感じたスザクは、ニッコリ気持ちの良い笑顔で微笑みながら訊ねた。
「で、何? 僕に折り入っての用件って」
「ああ、実はコレなんだがな」
「―――ッな……ッ!!」
 思わずルルーシュが絶句してしまうのも道理で、C.C.がおもむろにポケットから取り出したのは、瓶詰めのピクルスだった。
「どうやら蓋が噛んでる様子でな、私の力では埒が明かないんだ」
「お安い御用だ。貸してみて?」
「―――ちょっと、待て」
 今にも二人の間で授受されようとしていたピクルスの瓶を、ルルーシュが強引に奪い取るようにして掴んでいた。
「なんだ?」
「どうしたんだい、ルルーシュ?」
 ルルーシュを間に置く形で、左右から同時に怪訝そうに問いを投げかけられ、ある意味ではおまえたち、充分すぎるほどに似ているだろう? とルルーシュは眉間に皺を刻みながら、怒りに肩を震わせた。
「……こんなモノのために、おまえは本気で6時間以上も俺を煩わせ続けていたのか?」
「こんなモノとは何だ!」
「そうだよ、ルルーシュ! あのセシルさんが、唯一まともなレシピで漬けてくれたピクルスだよッ!!」
「そうだとも! それでも、なぜだか『らっきょう』の味がするけどな!」
「でも、それもイイ!」
「……おまえらっ……いいから、少し黙っていろ…ッ」
 ルルーシュは、小刻みに肩を上下させながら、おもむろにピクルスの瓶と格闘を始めた。
「―――ふん…ッ!」
 が、そのまま一分経過したところで、小脇に汗のシミを浮かべながら、極めて冷静に微笑んだ。
「焦るな。こういう場合には、瓶ごと少々熱湯に漬け込んで、膨張する中身の空気圧の変化を利用して」
「ガスの無駄だよ。いいから貸して?」
「―――おい、スザクッ!」
「はい、どうぞ」
「おお、さすがだな! 6時間待った甲斐があったぞ」
「…………」
「お安いご用さ。じゃァ、僕は急いでいるんで、これで」
「邪魔したな」
「気にしないで、僕はルルーシュの剣だから」
 涼しげに去ってゆくスザクの背中を見送りながら、ややあってルルーシュは、さっそく隣りでポリポリとピクルスを齧り始めている共犯者に訊ねた。
「………恨んでいるのか?」
「うん?」
「だから、その……おまえを引き止めてしまった件だ」
 その間にも隣りからは、ピクルス独特の甘酸っぱい匂いが漂ってきていて、ルルーシュは、色んな意味で眉間に濃い皺を寄せていた。
 C.C.は、三つほどピクルスを完食するまで沈黙を守り続けていたのだが。
「おい、ルルーシュ」
「ん? ……んんぅッ?!」
 おもむろに唇の間にピクルスを4、5本差し込まれ、ルルーシュは目を白黒させながら、C.C.の顔を凝視した。
 C.C.は、わずかにフッと表情を緩めながら苦笑して、
「私の今の気持ちさ」
 そう言いながら、寛容な態度で踵を返すと、ゆっくりその場から歩み去る。
 満足そうに、ポリポリとピクルスを齧る音を響かせながら。
「……『私の今の気持ち』……?」
 ルルーシュは、眉間に更なる皺を刻み込みながら、深まる疑問に首を傾げた。
 仕方なく、口の中のピクルスを咀嚼しながら。
 やがて嚥下してから気付いたが、それは本当に『らっきょう』の味がしていた。



[ 強制終了 ]



ルルーシュ生存で、ルルタニアトリオが皆それを認識していたら?
と、ふと考えてみました。
騎士&魔女は、自分の中ではドロドロ考え込んでいるけれど、
ルルーシュの前では、それを極力見せないように装っていたのではないかしら?
なんてコトを思いつつ、実際自分で書いてみましたらば、
今まで無数に素敵サイト様で拝読してきたSSの、二番煎じのような話に。
やっぱりルルタニア時代の話は、読み専でいるほうが愉しいなァ。
と、しみじみ思った次第。
(公式ルル誕の情報が待ち遠しいです! 早くDVDにならないかなァー!)