FC2ブログ
【2019年11月】 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

今日は何の日? 

朝からラジオを聴きながら浮かんだネタ。
本当にくだらないので、暇つぶしにどうぞ。
(*´ェ`*)




(追記)
――ハッ?!
昨日まで覚えてたのに、忘れてた!


スザク、誕生日おめでとう――ッ!!!!!!
(せっかくならスザクも出せばよかったッ…!)




携帯やmacな方はコチラから。

それ以外の方は、下からどうぞ。





「ルルーシュッ!!! おまえ、私の主食に何をしてくれたんだッッッ?!」

 そろそろ梅雨も明けようかと言う、よく晴れたある日のこと。
 全身の毛を逆立てて、露骨に涙目になっている嫁が、キンキン響き渡る金切り声でそう叫んで、ルルーシュの背中に体当たりをかました。
 せっかくの休日だからと、シーツやカーテンの類いの大物を洗濯して、干していた最中のルルーシュは、思い切り顔面からシーツの海に突っ込んだ。
 このまま重力に任せてしまったのでは、また全部イチから洗い直しだ。
 瞬時にそう判断したルルーシュは、かなり無理のある体勢から強引に身体を捻って反転させると、二人分の体重を受け止めた勢いで尻餅をついた。
 状況の変化など、少しも意識に上って無い感じのするC.C.は、構わずルルーシュの腹の上に馬乗りになると、ルルーシュの胸倉を掴んでガクガク揺すぶった。

「おまえという男はっ、おまえという男はっ、おまえという男は――…ッ」

 普段はまずもって感情を荒げることの無い女が、ボロボロ涙を流しながら何かを訴えているのである。
 ルルーシュは茫然とその様子を見守りながら、『その気になれば、そんなに素直に感情表現できるんじゃないか』と呑気に感心していた。
 叫ぶだけ叫んで、泣くだけ泣いて、やがてC.C.もすっきりしたのだろう。
 少しだけ落ち着いたところで、ルルーシュは腹の底から冷静に「で?」と訊ねた。

「おまえに責められるようなコトをした覚えが無いんだがな」
「喧嘩を売っているのか?」
「つもりはない」
「よォ~し、いいだろう。ついて来い」

 そう言って、ようやく腰を上げたC.C.は、プンプン怒りながらダイニングに向かった。
 ちなみに、朝食の時間が別々になってしまうのは、何度言っても夜更かし癖の直らない嫁の寝起きが最悪だからだ。
 だからルルーシュは、朝からゆっくり一人で優雅に朝食を済ませて、洗濯をしている最中にようやくC.C.が起きてきたので、休日ならではのサービスで、お手製のピザを焼いてやったはずだった。
 計画では、程よく機嫌の良くなったC.C.と、久方ぶりにデートに出かけるはずだったのだが。
 いったい何が気に喰わなかったのだろう? と小首を傾げていると、鬼の首でもとったような顔をしているC.C.が、「これをよく見てみろ」と顎の先を振って、テーブルの上を指し示した。

 ダイニングテーブルの上には、8分割してあるMサイズのピザが一枚。
 一片だけが欠けていて、一口だけ齧られている残骸がべたりと皿の外側に投げ出してあった。
 ルルーシュは、何食わぬ顔つきで食べかけの一片を取り上げると、すっかり冷えてしまっているそれをパクリと頬張った。
 小首を傾げたままモグモグ咀嚼して飲み下すと、それを横から眺めていたC.C.が、なぜだか「ひっ」と小さく息を呑み込んだ。

「――…ッお、おまえ……よくそんなものを食べられるなっ!」
「そんなものっておまえ、我ながら上手くできていると思うが?」
 オリーブオイルとチーズで汚れてしまった指先をぺろりと舐めながらルルーシュが答えると、再び涙目になっているC.C.が、信じられないと言った様子で小刻みに首を横に振った。

「ッ…だって、それ腐ってるじゃないかっ!!」
「――はァ?」

 ルルーシュは眉間にギュッと皺を寄せながら、皿の上からもう一片を取り上げると、ためつすがめつ異常の有無を確かめながら、同じようにモグモグ咀嚼して飲み下した。
 パンチの効いたトッピングが食べたいとC.C.が言うので、今日のところは一風変わって「キムチピザ」。
 薄切りにした豚肉の上に、キムチとクリームチーズ、大量のねぎを振りかけて、みじん切りにしたアボカドと、ある食品を良く混ぜて、デコレーションしたオリジナルの自信作だ。
 キムチにチーズにアボカドと、考えてみるだに味の濃い食材のラインナップだが、意外と互いの美点を引き出しあい、さっぱりした後口がクセになる美味しさだった。
 ますます疑問符を浮かべながら持っていた一片を食べ切ったルルーシュは、「はは~ん」とようやくあることに気づいた。

「――C.C.、おまえひょっとして、納豆が嫌いだろう?」

 ずざざざざっ。
 露骨に後ずさったC.C.は、「この人でなしっ!!!!」と涙目で叫んだ。

「っお、おまえという男はッ…あんな腐ったものを、よくも私にッ…」
「馬鹿かおまえは。アレは腐っているのではなく、『発酵している』と言うんだ。チーズだって同じようなものだろう?」
「チ、チーズと、あんなものを一緒にするなっ!!!! もう辛抱ならんっ! おまえとはもう離婚だっ!!!!!」

 三日に一度のペースで、そのセリフを聞き慣れているルルーシュは、意識的な無表情でピザの一片を手にすると、そのままC.C.の至近ににじり寄る。
 C.C.は、頬の上にボロボロ涙を流しながら「く、来るなっ!」と脅えた様子で首を横に振った。

「ッ…な、なんでも言うことを聞くからっ! それだけは嫌だッ…勘弁してくれっ、ルルーシュ!」
「ほぅ? 本当に何でも言うことを聞くのか?」

 壁に背中を貼り付けてガクガク頷いたC.C.は、決死の表情で「約束するっ!」と宣言した。

「魔女に二言は無いのだろうな?」
「ッし、しつこいぞッ!」
「そら見ろ、やっぱり状況が把握し切れて無いじゃないか。『金輪際、これ以外のメニューを作らない』という選択肢も、俺の手元には用意されているんだぞ?」
「ッ…お、おまえという男はっ!!!!!」
「ん? 我ながら、よく出来た亭主だろう?」

 にっこり満面に人の良い笑みを浮かべながらルルーシュが問いかけると、C.C.はヤケクソのようにボロボロ泣きながらブンブン大きく頷いた。

「あ、ああ、その通りだとも! まったく私には勿体ないくらいだっ!」
「なら、その亭主に、日頃の感謝に応えて、何か言うセリフは無いのか?」
「ッ…な、何かって?」
「俺がいつもおまえに言っているセリフがあるだろう?」

 愉悦げに片眉だけを跳ね上げながら問いかけると、C.C.は見る見るうちに首筋まで真っ赤に染め上げた。

「――卑怯だぞっっ!!!!」
「そうか。なら、残念だが」
「あっ、あっ、そ、そんなものを私の鼻先に近づけるなァ~ッ!!!!」

 逃げられないように膝を割り、片腕の中にすっぽり華奢な肩口を抱き締められているものだから、C.C.にはどこにも逃げ場が用意されていなかった。
 よく熟れた桃のように艶やかな唇の先にピザの一片が到達しかけたところで、C.C.は必死の形相で叫んだ。




「――愛してるっっ!!!!! ~~ッだから、もうこんな拷問は止めにしてくれッッ…!!!!!」




 人の悪いことこの上なく、クックッと喉を鳴らして笑い出してしまったルルーシュは、C.C.の首筋に顔を埋めると、思い切り嬉しそうにギュッと腕の中に抱きしめた。
 かれこれ百年近く夫婦の関係を続けているが、今この瞬間に初めて「愛してる」と言わせたわけだから、感慨もひとしおだった。

「クックッ……本当に、おまえという女は……っ」
「黙れッ、ルルーシュッ!!!!! この卑怯者ッッッ!!!!!」
「卑怯で結構だ。これくらいしなければ、おまえは一生言うつもりが無かったのだろう?」

 そこだけ本音を交えて低音で恨み言を発すると、C.C.の(おとがい)を指の先で持ち上げて、有無を言わせず情熱的に唇を重ねた。
 C.C.は、一瞬ビクンッと身体を震わせたが。
 次に起こした行動は、光のスピード並に迅速だった。




 ――――――――――バチ~ンッ!!!!




 家中に響き渡るような景気の良い音を鳴らして、頬に平手打ちをかまされたルルーシュが吹き飛んだ。

「ッ…お、おまえとはもうッ…絶交だっ!!!!」

 ボロボロ涙を流しながらそう叫んだC.C.が、ダッとばかりに後ろも見ずに走り去っていく。
 死ぬほど嫌いな納豆の味を、口移しで無理やり与えられてしまったわけだから当然だ。
 その背中を、床の上で茫然と見送っていたルルーシュは、持っていたピザの一片を機械的に口の中に頬張った。
 思い切り自分の歯で噛み切ってしまった口の中に、キムチの刺激がちょっぴり染みたが、やっぱり旨い。

「――フッ、魔女め。どうやら俺を本気にさせてしまったようだな」

 ユラリと立ち上がったルルーシュは不敵な笑みを浮かべると、C.C.の食わず嫌いを駆逐するための作戦に乗り出した。

「何が何でも、おまえの口から『もう一度食べたい』と言わせて見せるっ!!!!!」

 主夫歴百年の意地とプライドを賭けた、決死のデスマッチ。
 魔女と魔王の頭上で、世紀を揺るがすゴングの鐘が鳴り響いた瞬間だった。


[ ende ]



7/10は「納豆の日」(*´ェ`*)
何かの資料で、ルルーシュの嫌いな食べ物に「納豆」って載ってたような気がするけれど、スルーの方向で。
てゆーか、『キムチピザ』ふつーに美味しいので、一度試してみてください。